||| 銀色の月 |||


00 : あとがき


『銀色の月』、無事完結することができました。ここまで読んでくださった方、お疲れさまでした。そしてどうもありがとうございました。
 ただただ死神ものが書きたいというそれだけのことで書きはじめたこの話、はじめは短編のつもりでしたが、いつの間にやら全十一話という長編になってしまいました。オリジナル小説初めての完結作品ということで、妙な達成感があります。いやー最後まで書けてよかった。ホントによかった!
 ではでは話が終わった今さらですが、キャラクター紹介など。

誠二●普通の高校生?・藤川誠二●
主人公。都内の公立高校に通う、本人曰く、「ごくふつーの高校生」。
とはいえ死神が見えるわ話はできるわで、とても普通とは言い難い人。
幼馴染みの茜とは、友達以上恋人未満の微妙な関係。
意外と熱血漢だったりして、思い立ったら即行動。
信号無視はしない主義。帰宅部。大学受験を控える十七歳。
シオン●死神もとい天導使・シオン●
誠二が始めて出会った死神…ではなく天導使。見た目は十代後半。
死んだ人間の魂を天界まで導くのが仕事。
ちなみに性別はなし。誠二は男として接していたようですが、
作者は女の子のつもりで書いていました。
一人称の「俺」や、ぶっきらぼうな言葉使いはグレイの影響。
グレイ●同じく天導使・グレイ●
誠二が二番目に出会った天導使。見た目は二十代前半。
言いたいことだけ言って消えてしまう、「すっげー偉そう」なヤツ。
天導使としてはシオンの先輩にあたり、いろいろと面倒をみてきた…らしい。
でも魂を百人分運ぶのはシオンのほうが先だったという。
この絵ではわかりにくいけど、髪の毛が長くて後ろで一つ縛りにしています。


 ちなみに、登場人物の名前はすべて色の名前からつけました。藤川誠二は「藤色」と「青磁色」から。シオンは「紫苑色」から。…というように。
 タイトルの『銀色の月』とはシオンのことです。毎回付けたいなーと思って付けていたサブタイトルも、月にちなんでいるだけでなく、(一応)意味とかもあったりします。なので、そのへんについてもちょこっと触れておきたいと思います。…自己満足ですが(^^;

01 : 月が昇るとき
 これはもうそのまんま。このお話の始まりでもあり、誠二とシオンが初めて出会う回なので、それっぽい感じで付けてみました。…というか、正直最初の頃はあまりサブタイトルについては深く考えていませんでしたごめんなさい。

02 : ペーパームーン
 この「ペーパームーン」、なんとなく聞いたことのある単語だけど辞書にも載っていないし、とらえ方は人それぞれだと思うのですが…私は「昼間の白い月」のことだと勝手に解釈していました。ということで、「すぐそばにいるはずなんだけど、誰も気にしていない存在」=天導使=シオン。さらに言えば、その「ペーパームーン」に気づいた誠二の回、ということで。

03 : 始まりの新月
 「始まり」は、そのまんま誠二とシオンの同居生活?の始まり。「新月」は、まだ誠二には本当のシオンは見えていないということで…ごめんなさい! 単に「新月」を使いたかっただけなんです!

04 : 月の裏側にあるもの
 シオンの裏側、つまり、普段見えない部分が少し見えたような見えないような…む、無理やりです。

05 : 月食
 この辺りから結構考えて付けた…はず。シオンの天導使としての、いわば残酷な面が見えた回。『シオン』という存在、そして誠二とシオンの関係に影がさした、という感じで。

06 : 月は今、雲の向こう
 そのまんまその二。冥界にいるシオンは誠二からは見えない。と同時に、シオンそのものが誠二にはわからなく、見えなくなってしまった。

07 : MOONLESS NIGHT
 「MOONLESS NIGHT」=闇夜。月のない夜ということで、シオンの出てこない回です。さらに前回にも増して、誠二はシオンのことがわからなくなってしまった、ということで。

08 : 鏡花水月
 「鏡花水月」=目には見えながら手に取りにくいものの例え。そのままシオンのことですね。誠二が、シオンは幻想だったんじゃないか? と思っているところもそんな感じです。

09 : 惑いの月光
 月の光は太陽の光を反射しているもの。この場合、太陽は誠二。誠二の影響で、本当の自分に気づき始めたシオン。でもまだその自分に戸惑っている、ということで。

10&11 : 欠けた月はまた満ちて
 消えてしまったシオンですが、またいつかきっと会える日が来る――ということで、欠けては満ちる月のようなシオン。最初にあるモノローグは、誠二の言葉でもあり、シオンの言葉でもあります。

 ということで、全十一話でしたー。
 ホントは三話や四話みたいな誠二とシオンの明るい会話をもっと書きたかったのですが、後半は自分自身いろいろと考えながら書いていました。読んでくださった方も、なにか少しでも感じ取ってもらえたらいいな、と思っています。それでは、本当にありがとうございました!
 二年経って読み直してみましたが…アイタタタ! 文章のあまりに稚拙さに撃沈であります。本当、ここまで読んでくださってありがとうございました。

藍川せぴあ

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