本当のこの世界ができたお話
昔々―― それはまだ、地上と天界とが繋がっていた頃のお話です。
そこは人間と天使たちが仲良く暮らす、この世の楽園でした。
誰もが幸せに暮らしていたのですが、その幸せは長くは続きませんでした。
人間の欲深さが現れ始めたのです。
きっかけは人間が天界を自分たちの領土にしようとしたことでした。
天使たちは自分の世界を守るために戦いました。
争いは次第に大きくなり、やがて人間が核兵器を使い、楽園は荒れ果てた世界となってしまいました。
もう地上で共に暮らすことはできないと考えた天使たちは、天界へ帰ることを決めました。
その時、人間は天界に向かって核兵器を撃ちこんだのです。
そして二つの世界の間にある空は、灰色一色となってしまいました。
それはそれは醜い戦争の結末でした。
こうして人間たちは自分たちの欲のために空を失い、二度と青い空を見ることができなくなってしまったのです。